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俳人別俳句一覧
山口青邨の俳句
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山口青邨の俳句の中から個人的に選出した俳句です。
春の俳句
わらんべの 鐘つき逃ぐる 春深く
捨て鍬の 次第に濡れて 春の雨
夏の俳句
南方の 赤き団扇を 使はれよ
古稀翁に へんぽん赤き 鯉幟
夜鷹鳴く 鳥海までの 真の闇
うすばかげろふ 翅重ねても うすき影
赤門は 古し紫陽花も 古き藍
秋の俳句
秋深し 芸者がをどる 白虎隊
みちのくの 如く寒しや 十三夜
お六櫛 つくる夜なべや 月もよく
舟べりに 頬杖ついて 月見かな
鶺鴒の 庭歩みしが 吾も歩む
蓼科の まつむし草の あはれさよ
冬の俳句
櫨(はぜ)は実を 黒々垂らし 冬に入る
山初雪 やどりぎの毬 白くしぬ
みちのくの 町はいぶせき 氷柱かな
赤蕪を 一つ逸らしぬ 水迅く
山ざくら まことに白き 屏風かな
凍鶴の 一歩をかけて 立ちつくす
新年の俳句
初凪や 白髭橋は うすうすと
初富士の かなしきまでに 遠きかな
左右より 松の梢や 初詣
( Written by buzz )
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