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季語「蜻蛉(とんぼ)」の解説と季語を使った俳句の例
秋の季節の季語の一つである「蜻蛉(とんぼ)」です。
蜻蛉
「蜻蛉(とんぼ)」は、秋の空に見られる美しい飛翔が特徴的な昆虫で、秋の風物詩として親しまれています。秋が深まるにつれて空気が澄み、蜻蛉の姿が青空を舞う様子がよく観察されます。蜻蛉は古くから日本文化に根付いており、戦国武将が好んで「勝虫(かちむし)」と呼んだように、勝利や勇敢さの象徴とされることもあります。俳句では、澄んだ秋空や夕暮れ時に飛び交う蜻蛉を通じて、秋の静けさや儚さ、移り変わる季節の風情が詠まれます。
季語「蜻蛉(とんぼ)」を使った俳句の例です。
蜻蛉追い 子の声遠く 夕まぐさ
解説:蜻蛉を追いかける子どもの声が、夕方の暮れ時に遠くから聞こえてくる情景です。秋の夕方に響く子どもの声が、蜻蛉を追いかける無邪気さを感じさせ、夕方の物寂しさと共に温かみが漂います。
夕暮れや 蜻蛉が肩に とまりけり
解説:夕暮れ時に、蜻蛉がそっと肩に止まる情景を詠んでいます。夕方の静かなひとときに、蜻蛉が肩にとまることで自然との一体感や秋の風情を感じさせ、穏やかな秋の夕暮れの趣が伝わります。また、蜻蛉が肩にとまる一瞬の出来事に対する静かな驚きや感動も表現されています。
澄む空へ 蜻蛉昇りて 消えゆきぬ
解説:澄み渡った秋空へ蜻蛉が昇り、やがて小さく消えていく様子を描いています。秋空の清らかさと、蜻蛉の儚い飛翔が秋の静寂と物寂しさを表現しており、自然の移ろいが感じられます。
著者 / Tommy Ikura
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