季語「野分(のわき)」の解説と季語を使った俳句の例

秋の季節の季語の一つである「野分(のわき)」です。

野分

季語の解説:

「野分」とは、秋に吹く強い風や台風を指す季語です。古くは平安時代から使われており、『源氏物語』にも登場する言葉です。「野分」は田畑や野原の草を分けて吹き抜ける風のことで、その勢いは自然の厳しさを感じさせる一方、季節の移ろいの象徴とも捉えられています。秋の野分は、夏の名残を吹き飛ばし、秋が深まることを告げる風として詠まれることが多いです。俳句では、風の勢いや嵐の後の静けさ、自然の風景の変化を表現することが特徴です。

季語を使った自作の俳句:

季語「野分(のわき)」を使った俳句の例です。[2]

野分の夜 窓に響きて 眠れぬ夜

解説:台風や強い風が吹き荒れる夜の情景を詠んでいます。「野分の夜」という導入で、自然の力強さや荒々しさが伝わり、その音が「窓に響きて」と続くことで、家の中にいても静かな安息が得られない緊張感や不安が感じられます。「眠れぬ夜」という結びの言葉が、人の無力さや自然への畏怖、そして嵐の夜の孤独感をシンプルに表現しています。野分の力強さと、それに翻弄される人間の小ささが対照的に描かれた一句です。

野分去り 澄み渡る空 鳥の声

解説:台風や嵐が過ぎ去った後の爽やかな朝の情景を詠んでいます。「野分去り」というフレーズが、嵐の終わりと安堵感を表し、次に続く「澄み渡る空」が空気の清涼感や晴れ渡った青空を美しく描写しています。そして「鳥の声」という音の描写が、自然が静けさとともに命の営みを取り戻し、再び平穏が訪れたことを象徴しています。荒々しい自然の後に広がる穏やかな風景が心地よく、明るい希望や再生の光景が見える一句です。

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著者 / Tommy Ikura

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