季語「秋風(あきかぜ)」の解説と季語を使った俳句の例

秋の季節の季語の一つである「秋風(あきかぜ)」です。

秋風

季語の解説:

「秋風」は秋の訪れを告げる風であり、涼やかでどこか物寂しさを感じさせる季語です。夏の暑さが和らぎ、秋の気配を運ぶ風は、自然の移り変わりや季節の深まりを象徴します。また、秋風には人の心情に静かで物思いに耽るような余韻を与える効果もあり、古くから俳句や和歌に詠まれてきました。秋風が吹くことで、木々や草花が揺れ、雲が流れる情景も描かれます。俳句では、その涼しさや寂しさ、人々の営みとの関わりを捉えた作品が多く見られます。

季語を使った自作の俳句:

季語「秋風(あきかぜ)」を使った俳句の例です。[2]

秋風が 路傍の花を 撫でてゆき

解説:秋風が優しく路傍(道端)に咲く花に触れていく光景を描いています。秋風という季語が持つ涼しさや軽やかさが、花を「撫でてゆき」という表現により、穏やかで温かな印象に昇華されています。路傍の花は小さく、ささやかな存在でありながら、秋風に触れられることで生命の輝きを感じさせます。自然と人間の視線が一体となり、道端に広がる小さな美しさに気づかせてくれる、ほっとする一句です。

秋風が 美ヶ原へ 雲運ぶ

解説:秋風が美ヶ原(長野県にある広大な高原)へと雲を運ぶ、壮大な自然の動きを表しています。具体的な地名「美ヶ原」を用いることで、高原の広がりと美しさが強調され、風景が鮮やかに浮かび上がります。秋風の清涼感とともに、雲がゆったりと運ばれる情景は、時間の流れまで緩やかに感じさせます。高原の風景と大自然の動きを一つの画として捉えた、静けさと広がりのある俳句です。

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著者 / Tommy Ikura

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