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季語「霧(きり)」の解説と季語を使った俳句の例
秋の季節の季語の一つである「霧(きり)」です。
霧
「霧」は、秋の朝や夕に地表付近が冷やされて発生する水蒸気の微粒子が空気中に漂う現象を表します。秋の霧は夏の湿気を帯びた霧とは異なり、ひんやりとした空気と共に漂い、静寂や幻想的な雰囲気を醸し出します。その姿は、山や野原、街中に薄く白いヴェールをかけたように広がり、視界をぼんやりとさせながらも、自然の美しさを引き立てます。俳句において「霧」は、物事の輪郭を曖昧にし、どこか儚さや余韻を感じさせる季語です。静けさ、幻想、そして時間の流れを柔らかく表現する際に用いられ、秋の深まりを感じる句に多く詠まれます。
季語「霧(きり)」を使った俳句の例です。[1]
奥の院 進みし参道 霧包む
解説:霧に包まれた参道の情景と「奥の院」という神聖な場所が組み合わさり、厳かで神秘的な雰囲気を表現しています。「奥の院」という言葉が、霊的で静謐な場所を連想させ、参道を進む人の姿や気持ちが自然に浮かびます。「霧包む」という表現が、視界を覆う霧の柔らかさや静けさを印象づけており、時間が止まったかのような空気を感じさせます。全体として、自然と信仰心が交わる秋の霧の中の静寂を見事に切り取った一句です。
著者 / Tommy Ikura
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