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季語「秋深し(あきふかし)」の解説と季語を使った俳句の例
秋の季節の季語の一つである「秋深し(あきふかし)」です。
秋深し
「秋深し」は、秋が一段と深まっている情景や気配を表す季語です。秋の初めから中頃には感じられなかった静けさや冷え込み、色濃くなった紅葉、落葉、虫の音の消えゆく気配など、秋の終わりに向かう淋しさや落ち着いた風情が漂います。俳句において「秋深し」は、物寂しさの中にある美しさや、人生や自然に対する感慨を詠むのに使われることが多いです。視覚的な自然描写はもちろん、心の奥底に感じる秋の静けさや人の心模様を映し出すのにも適している季語です。
季語「秋深し(あきふかし)」を使った俳句の例です。[2]
庭の隅 秋深まりて 葉一枚
解説:秋が深まる中で、庭の隅にたった一枚だけ残る葉に目を留めた情景を詠んでいます。「庭の隅」という場所の設定が静けさや物寂しさを強調し、秋の終わりを象徴する「葉一枚」というシンプルな描写が季節の侘しさを鮮明に伝えています。葉が一枚だけ残っている様子は、自然の中で取り残されたようにも見え、読者に「もののあわれ」を感じさせます。無駄のない表現がかえって想像力を広げ、秋の静寂と時間の流れを味わうことができる一句です。
秋深し 夕日が染める 影長く
解説:秋の夕暮れ時、夕日が地面に長く伸びる影を染め上げる情景を描いています。「秋深し」という季語が秋の終わりの物静かで落ち着いた雰囲気を醸し出し、「夕日が染める」という表現が、影だけでなく風景全体を美しい秋色に染め上げる様子を思い起こさせます。「影長く」という描写は、秋特有の太陽が低い時間帯を感じさせ、時の流れや一日の終わりの物寂しさがにじんでいます。

著者 / Tommy Ikura
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