季語「残暑(ざんしょ)」の解説と季語を使った俳句の例

秋の季節の季語の一つである「残暑(ざんしょ)」です。

残暑

季語の解説:

「残暑」とは、立秋(8月上旬)を過ぎてもなお続く暑さを指します。暦の上では秋に入っているものの、現実には夏の暑さが残り、秋らしい涼しさはまだ遠いと感じる時期です。強い日差しや蒸し暑さが残る一方で、吹く風や夕暮れにはかすかな秋の気配が感じられることが多く、その季節の微妙な変化を捉えた言葉です。俳句では、夏から秋へと移りゆく季節感や、人々が暑さに少し疲れながらも秋を待ち望む心情を詠むことが多く、自然と生活の交錯する情景が表現されます。

季語を使った自作の俳句:

季語「残暑(ざんしょ)」を使った俳句の例です。

雨あがり 残暑戻りて 街かすみ

解説:夕立や雨が上がった後の情景を描きつつ、再び戻ってくる残暑の重さを詠んでいます。「雨あがり」という言葉が一度は涼しさを感じさせますが、その後に続く「残暑戻りて」が、期待を裏切るかのように暑さが戻る現実を伝えています。「街かすみ」という表現が、蒸し暑さで空気が霞んで見える様子や、街全体が疲れているような情景を印象づけています。残暑の厳しさと、雨上がりの湿気が絡み合った、夏の終わりの独特な空気感を巧みに表現した句です。

汗ばみて 暦眺める 残暑の朝

解説:残暑が厳しい朝の情景と、暦を見つめる人の心情を描いています。「汗ばみて」という表現が、朝から続く残暑の蒸し暑さや不快感を感じさせ、自然と季節の移り変わりを意識させます。「暦眺める」という行為には、暑さの中で、秋の到来を待ちわびる気持ちや、日にちが過ぎることへの願いのようなものがにじんでいます。残暑の中で一日が始まる朝の様子が簡潔に詠まれており、季節の変わり目に感じる人の心情が伝わる句です。

夕立で 少し和らぐ 残暑かな

解説:厳しい残暑の中、夕立がもたらした一瞬の涼しさを詠んでいます。日中の暑さに疲れた心と体に、夕立の雨がもたらす自然の恵みが和らぎを与える瞬間が描かれています。「少し和らぐ」という表現が、夕立が過ぎた後に残るほっとした気持ちをさりげなく伝え、しかし完全に暑さが消えたわけではないことも示しています。自然の移り変わりの中にある一瞬の涼しさと、それでも続く残暑の余韻を捉えた、情景豊かな一句です。

残暑の夜 風が運びし 秋の気配

解説:残暑の夜に吹く風が秋の気配を運んでくる瞬間を詠んだ句です。「残暑の夜」という言葉が、夏の暑さが続いていることを感じさせながら、「風が運びし」という表現が、秋の到来を予感させる清涼感をもたらします。暑さの中にひそかに忍び寄る秋の気配は、自然の移ろいを感じさせ、詩情豊かな余韻を残します。季節の移り変わりを風に託して表現した、美しく静かな一句です。

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著者 / Tommy Ikura

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