季語「葉月(はづき)」の解説と季語を使った俳句の例

秋の季節の季語の一つである「葉月(はづき)」です。

葉月

季語の解説:

「葉月」とは旧暦の8月を指し、現在の暦ではおおよそ9月上旬から10月上旬にあたります。名前の由来は「葉落ち月」「葉張り月」など諸説ありますが、秋が始まり木々の葉が少しずつ変化し始める様子を表す言葉です。葉月の頃はまだ暑さが残るものの、次第に秋の気配が漂い、夕暮れや夜には心地よい風を感じることができます。俳句では、季節の移り変わりや自然の風情を描く際に使われることが多く、盛夏から初秋への穏やかな時間の流れを感じさせます。人々の暮らしの中にも、夏の疲れが癒される一方で、秋の準備や心の変化が表現されることが特徴です。

季語を使った自作の俳句:

季語「葉月(はづき)」を使った俳句の例です。[2]

葉月の夜 虫の音色も 野原より

解説:葉月(旧暦8月)の夜に、野原から聞こえてくる虫の音を詠んでいます。虫の音は秋の訪れを感じさせる象徴とも言える自然の音色であり、広がる野原から微かに聞こえてくることで、静かな秋の夜の情景が浮かびます。「葉月の夜」という季語が、夏の終わりから秋の始まりにかけての、少し涼しさが増す夜の時間を美しく切り取っています。俳句全体からは、自然と一体となるような穏やかさと、虫の音に耳を澄ませる静かな心のありようが感じられます。

葉月きて 家路の時刻 灯がともり

解説:葉月の訪れと共に、夕暮れが早まり、家路に帰る時刻には灯りがともるという日常の風景を詠んでいます。「葉月きて」という表現が季節の移ろいを示し、夏から秋へと移る瞬間を印象づけています。「家路の時刻 灯がともり」は、日が短くなることで自然と家路に着く時間が早まることを表しており、日常の中にある小さな変化に気付く心が描かれています。静かな夕暮れの街並みと、家々の温かな灯りが目に浮かび、秋の気配が漂う時間の流れを感じさせます。

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著者 / Tommy Ikura

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