季語「秋(あき)」の解説と季語を使った俳句の例

秋の季節の季語の一つである「秋(あき)」です。

季語の解説:

「秋」は四季の中でも特に情緒深く、豊かな季節です。気温が次第に下がり、空気が澄んで空は高く感じられ、紅葉や収穫の風景が広がります。また、物寂しさや静けさが漂う季節でもあり、人々の心に余韻や感慨をもたらします。俳句において「秋」は、季節そのものの象徴として使われ、自然の美しさや移ろい、そして人の心情や生活の風景が重ねられます。広く使える季語でありながら、その表現には詠み手の感性が大きく反映され、季節をどう捉え、感じるかが詩情豊かに表現されます。

季語を使った自作の俳句:

季語「秋(あき)」を使った俳句の例です。[2]

北へ北へ 一足早く 秋迎え

解説:秋を迎えるために北の地へと足を運ぶ様子を描いています。「北へ北へ」という繰り返しが、秋を追い求める強い気持ちや、その旅路の長さを感じさせます。「一足早く」という表現からは、まだ残暑の残る土地を後にして、少しでも早く秋の涼しさや風情に触れたいという期待感や心の高揚が伝わってきます。「秋迎え」という結びによって、自然と一体化し、季節を愛でる心が穏やかに締めくくられています。秋への憧れと旅情をシンプルに、しかし力強く表現した句です。

秋来たり 埃をはらい ページめくる

解説:秋の訪れと共に、しばらく手に取らなかった本に向かう様子を詠んでいます。「秋来たり」という季語が秋の気配をしっかりと伝え、季節の移り変わりを感じさせます。「埃をはらい」には、長い間放置されていた本への時間の経過や、静かな秋の日常の一コマが浮かび上がります。そして「ページめくる」という結びが、秋の夜長に知的な時間を過ごす穏やかな心情を表しており、秋ならではの落ち着きや読書の喜びが感じられます。

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著者 / Tommy Ikura

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