季語「秋の夜(あきのよる)」の解説と季語を使った俳句の例

秋の季節の季語の一つである「秋の夜(あきのよる)」です。

秋の夜

季語の解説:

「秋の夜」は、秋の静かで澄んだ夜を表す季語です。夏の夜の賑やかさや蒸し暑さが去り、秋の夜はしんと静まり、月の光や虫の声が際立つ穏やかな時間が流れます。物思いにふけったり、読書や趣味に没頭したりすることも多く、どこか寂しさや哀愁が漂う情感が特徴です。俳句では、秋の夜の静けさを描きつつ、人の心情や自然の移ろいを重ねることが多いです。秋の深まりとともに、静けさの中に広がる風情をしみじみと感じさせる句が作られます。

季語を使った自作の俳句:

季語「秋の夜(あきのよる)」を使った俳句の例です。[2]

鈴虫の 音色追いかけ 秋の夜

解説:秋の夜に聞こえる鈴虫の音色を追いかけるという情景を詠んでいます。静かな秋の夜に響く鈴虫の音は、自然の調べとして美しく、どこか切なさや静けさも感じさせます。「追いかけ」という表現が、人の耳が音色の余韻に引き込まれる様子や、音の発生源を探してしまう心情を巧みに表しています。秋の夜特有の澄んだ空気と静けさの中で、鈴虫の声が鮮明に際立ち、そこに情緒豊かな時間が流れていることが伝わってきます。

秋の夜 古きアルバム めくる指

解説:秋の夜に古いアルバムを静かにめくる情景を詠んでいます。秋の夜は静かで物思いにふける時間が流れる季節であり、アルバムを開くという行為が、過去の思い出や懐かしさに触れる姿と重なります。「めくる指」という具体的な描写によって、アルバムのページをそっとめくる動作が丁寧に切り取られ、心情が静かに伝わってきます。過去と現在が交錯する中で、秋の夜のしみじみとした情緒が広がり、読者に共感や懐かしさを呼び起こします。

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著者 / Tommy Ikura

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