季語「宵闇(よいやみ)」の解説と季語を使った俳句の例

秋の季節の季語の一つである「宵闇(よいやみ)」です。

宵闇

季語の解説:

「宵闇」は、夕方から夜に移り変わるときの薄暗さを指します。日没後、空が青黒く染まっていく中で訪れる時間帯で、秋は空気が澄んでいるため、その薄暗さがより深く感じられます。「宵闇」は秋の夜の始まりの静けさや、ほんの少しの寂寥感、移りゆく季節の趣を強調する際に用いられます。俳句では、暗くなり始める景色や、宵闇の中でひっそりと感じる秋の気配を詠むことが多いです。

俳句の例:

季語「宵闇(よいやみ)」を使った俳句の例です。

宵闇に 響く鈴虫 軒の下

解説:宵闇の中で、軒の下から鈴虫の音が響いている様子を詠んでいます。静かな秋の夕暮れに虫の音が響き、秋の夜の風情と静けさが感じられる句です。宵闇と虫の音が、寂しさとともに秋の夜の豊かさを表現しています。

風止んで 宵闇の道 人影なく

解説:風が止み、宵闇に包まれた道に人がいない静寂な情景を詠んでいます。宵闇が広がる中、風も止まり、誰もいない道が秋の静けさと少しの寂しさを感じさせます。秋の夜の冷たさが伝わるようです。

宵闇に 家路へ急ぎ 走りける

解説:宵闇が迫る中、家路を急いで走る様子を詠んでいます。秋の夜が近づくとともに、暗くなり始めた中で家に向かう姿が描かれ、秋の夕方特有の少しの寂しさと焦りが伝わります。

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著者 / Tommy Ikura

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