季語「柿（かき）」の解説と季語を使った俳句の例

秋の季節の季語の一つである「柿（かき）」です。

柿

「柿」は、秋に熟し、さわやかな甘みと独特の風味を持つ果実です。柿の実は木に成り、熟すと美しい橙色に色づくため、秋の風景の中でひときわ目を引きます。俳句においては、柿の実の色づきや落ち着いた甘みが、秋の実りや静かな季節感を象徴する題材として多く用いられます。特に、木に残る柿の実の様子や収穫の風景などが詠まれ、秋の豊かさや郷愁が表現されます。

季語「柿（かき）」を使った俳句の例です。

柿たわわ 庭の二本が 競い合う

解説：庭にある二本の柿の木が、実をたわわに実らせて競い合うかのように見える情景が描かれています。豊かに実る秋の柿が、自然の生命力と秋の収穫の豊かさを感じさせます。庭の中で互いに負けじと実をつける木々の姿が微笑ましく、豊作の喜びが伝わってきます。

柿落ちて 庭を染めゆく 夕暮れに

解説：熟した柿が庭に落ち、その色が庭を染めていく様子を詠んでいます。夕暮れ時に落ちた柿が、黄昏の光とともに庭を彩る情景が美しく描かれており、秋の静かな夕方の雰囲気が伝わります。

熟れ柿の 光透かして 木の先に

解説：熟した柿が木の先で光を透かして輝く様子を描いています。光が透ける柿の美しさが秋の静かな空気と調和して、秋の一瞬の美しさが詠まれています。