季語「初鶏(はつどり)」の解説と季語を使った俳句の例

新年の季節の季語の一つである「初鶏(はつどり)」です。

初鶏

季語の解説:

初鶏とは、元旦の夜明けに最初に鳴く鶏を指します。古来より、鶏は夜明けを告げる象徴とされ、その初鳴きは新年の始まりを告げる神聖なものとされてきました。初鶏の澄んだ声は、新たな一年への希望や清浄な空気を感じさせ、人々の心に活力を与えます。この季語を用いた俳句では、静かな元旦の朝に響く鶏の声や、それを取り巻く夜明けの風景、あるいはその声に触れる人々の心情が描かれ、新春の清々しさや期待感が表現されます。

季語を使った自作の俳句:

季語「初鶏(はつどり)」を使った俳句の例です。[1]

故郷に 初鶏の声 響き蹴り

解説:故郷で迎える元旦の情景を描きながら、初鶏の声が広がる様子を力強く表現しています。「故郷に」という言葉が、懐かしさや温かさを感じさせ、読者に郷愁を呼び起こします。「初鶏の声」は、新年の始まりを告げる象徴として清らかで神聖な雰囲気を醸し出し、「響き蹴り」という動詞が、その声が大地に力強く反響し、新しい年の活力をもたらすような印象を与えています。全体を通して、故郷の静寂な朝と新春の希望が見事に融合した一句です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「初鶏(はつどり)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

初鶏に 神代の臼と 申すべし

作者:小林一茶

初鶏や 動きそめたる 山かづら

作者:高浜虚子

初鶏に こたふる鶏も 遠からぬ

作者:阿部みどり女

初鶏に 先立つ隣家の 母の声

作者:中村草田男

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著者 / Tommy Ikura

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