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季語「元日(がんじつ)」の解説と季語を使った俳句の例
新年の季節の季語の一つである「元日(がんじつ)」です。
元日
「元日」は一年の最初の日、つまり1月1日を指し、新年を迎えた喜びや清々しさを表す季語です。朝日を浴びて新しい年のスタートを切る心情や、家族や友人が集い祝う穏やかな時間が象徴されます。また、新たな希望や抱負を胸に未来へと歩み出す気持ちも込められています。俳句の中では、厳かな雰囲気や清々しい気配、心新たにする気持ちを表現することが多く、静けさや活力、幸福感が描かれます。
季語「元日(がんじつ)」を使った俳句の例です。
元日や 朝日をあびて 我進む
解説:新年の元旦に朝日を浴びながら「我」が前へ進んでいく様子を描いています。「朝日」という言葉が象徴するのは、新たな始まりや希望です。元旦という節目に、清々しい気持ちで未来へと進もうとする姿がまっすぐに詠まれ、力強さと決意を感じさせます。シンプルながらも晴れやかな情景が心に残る、希望に満ちた俳句です。
元日に 揃いし顔に かげりなし
解説:元日に家族や友人など大切な人々が集まり、その全員が幸せそうな笑顔を見せている情景を描いています。「揃いし顔」という表現が、無事に皆が顔を合わせた喜びや安堵感を伝え、「かげりなし」がその場の明るさや平和な雰囲気を強調しています。新年を迎えられる幸せと、穏やかな日常の尊さを素直に詠んだ、温かみのある俳句です。
元日や 白き日記に 筆走り
解説:真っ白な日記に元日という新しい始まりの勢いと共に筆を走らせる情景が詠まれています。「白き日記」が新年の無垢な時間や未来の可能性を象徴し、その白さに向かう「筆走り」に新しい目標や希望が込められているようです。清々しさと同時に、何かを始める時の静かな決意や高揚感が感じられます。新年特有の緊張感と未来への希望が見事に調和した一句です。
季語「元日(がんじつ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
元日と 知らぬ鼾の 高さかな
作者:正岡子規
元日の 端山に立てる 烟かな
作者:久保田万太郎
元日や手を洗ひをる夕ごころ
作者:芥川龍之介
元日は 大吹雪とや 潔し
作者:高野素十
元日の 日があたりをり 土不踏
作者:石田波郷
元日や 思えばさびし 秋の暮
作者:松尾芭蕉

著者 / Tommy Ikura
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