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季語「三が日(さんがにち)」の解説と季語を使った俳句の例
新年の季節の季語の一つである「三が日(さんがにち)」です。
三が日
「三が日」とは、正月の最初の三日間(1月1日から3日まで)を指し、新年を祝う特別な期間として古くから重要視されてきました。三が日は、仕事を休み、家族や親しい人々と共に過ごす時間です。初詣、年賀の挨拶、おせち料理やお雑煮を楽しむなど、正月らしい風物詩が詠まれることが多く、新しい年の穏やかで希望に満ちた日常が描かれます。また、静かな時間の流れや、普段とは違う非日常的な空気感を表現する際にも使われる季語です。「三が日」は明るさとともに、ゆったりとした時間の流れや伝統を感じさせることができるため、新年の句にぴったりな季語です。
季語「三が日(さんがにち)」を使った俳句の例です。
今朝もまた お雑煮並ぶ 三が日
解説:三が日の朝に毎日お雑煮が食卓に並ぶ、穏やかな新年の情景を詠んでいます。「今朝もまた」という言葉から、三が日の繰り返される日常の中に、平和で静かな時間の流れが感じられます。お雑煮という新年特有の食文化が描かれていることで、家庭の温かみや正月らしい伝統を思い起こさせます。特別なことがなくても、穏やかに繰り返される朝の光景に、新年の幸せと豊かさが静かに表現された句です。
東京の 人恋しくなる 三が日
解説:三が日という新年の静けさの中で、賑やかなはずの東京が普段とは違う一面を見せ、人恋しくなる心情を詠んでいます。普段は人であふれる都会が、新年の休みに入り静まり返った様子が伝わってきます。「人恋しくなる」という表現からは、都会の孤独感や三が日ならではの非日常感が浮かび上がり、そこに新年の特別な時間の流れが感じられます。都会に住む人なら共感できる、三が日特有の空気感と静けさが印象的な句です。
今宵まで ぐうたら許し 三が日
解説:三が日という新年の特別な時間に、日常の忙しさを離れ、「ぐうたら」することが許される穏やかな心情を詠んでいます。「ぐうたら」という表現が、日常の束縛から解放されている様子を軽やかに、ユーモラスに描いています。「今宵まで」という言葉には、三が日が終わる名残惜しさや、再び日常に戻る予感も含まれており、新年の特別感とゆったりした時間の流れが表現されています。人間らしい飾らない姿と、三が日の特別な空気感が見事に詠まれた一句です。
著者 / Tommy Ikura
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