季語「恵方詣(えほうまいり)」の解説と季語を使った俳句の例

新年の季節の季語の一つである「恵方詣(えほうまいり)」です。

恵方詣

季語の解説:

「恵方詣(えほうまいり)」とは、新年にその年の縁起の良い方角(恵方)にある神社や寺院へ詣でる風習を指します。恵方はその年の歳徳神(としとくじん)がいる方角とされ、福を授かるためにその方角へ向かうことが縁起が良いとされています。新年の始まりに、家族や友人と共に恵方に向かう姿は、希望や幸せを願う気持ちを表し、新年の新たな一歩として描かれることが多いです。俳句では、冬の澄んだ空気や静かな道中、祈りの真剣な様子、または新たな年に対する期待感が詠み込まれます。伝統と信仰心が感じられる季語です。

季語を使った自作の俳句:

季語「恵方詣(えほうまいり)」を使った俳句の例です。

恵方詣 目指せし場所は 同じなり

解説:新年の恵方詣に向かう人々が、それぞれ異なる場所や状況から出発しながらも、目指す方角(恵方)や目的地は一つであることを詠んでいます。恵方詣という伝統行事が、人々の心を一つにし、共通の願いや幸運への思いが集まる光景を感じさせます。「目指せし場所は同じなり」という表現には、静かな一体感や共感があり、新年の清々しさや、希望を共有する美しさが込められています。

胸に秘む 願いを託す 恵方詣

解説:恵方詣という行事において、自分の胸の中に秘めた大切な願いを託す瞬間を詠んでいます。「胸に秘む」という言葉が、静かな祈りや真摯な気持ちを象徴しており、言葉には出さなくとも、新年に向けての決意や希望がしっかりと込められていることが伝わります。そして「願いを託す」という表現が、恵方詣の神聖さや新しい年に対する期待感を引き立てています。新年の始まりに、自分自身と向き合い、未来を祈る静かで美しい一場面が詠まれた句です。

友と行く 旅路遠くに 恵方詣

解説:友人と共に恵方詣へ向かう道中の情景を描いています。「友と行く」という言葉が、信頼や友情を感じさせ、新年の希望を共に願う温かな雰囲気を作り出しています。そして「旅路遠くに」という表現が、目的地までの距離だけでなく、新しい年の未来への道のりや人生の旅そのものを思わせます。友人と共に過ごす時間や道中の会話、笑顔などが思い浮かび、新年の特別なひとときが詠まれた句です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「恵方詣(えほうまいり)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

めでたさや 恵方詣の 酔ひ戻り

作者:水原秋桜子

恵方詣り 大原までは 行かぬなり

作者:長谷川かな女

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

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