季語「初詣(はつもうで)」の解説と季語を使った俳句の例

新年の季節の季語の一つである「初詣(はつもうで)」です。

初詣

季語の解説:

「初詣(はつもうで)」とは、新年に初めて神社や寺院を参拝し、その年の健康や幸福、家内安全や商売繁盛を祈る日本の伝統行事です。初詣は新たな年の始まりを清らかな気持ちで迎える象徴であり、多くの人が家族や友人と共に訪れます。参道の賑わいや人々の笑顔、真摯に手を合わせる姿、澄んだ空気や神聖な雰囲気が特徴的です。俳句では、初詣の静けさや賑わい、願いを込める瞬間、屋台の香りや道中の情景などが詠まれ、新年の希望や活力が感じられる季語として多く使われます。

季語を使った自作の俳句:

季語「初詣(はつもうで)」を使った俳句の例です。

初詣 人の流れに 身を任せ

解説:初詣に訪れた際の人々の賑わいの中で、自然とその流れに身を任せる心地よさを詠んでいます。新年の参拝では多くの人が同じ目的を持ち、ゆったりと流れる時間や空気が感じられます。句からは、自分だけでなく周囲の人々も同じように新年の幸せを願い、穏やかに手を合わせに向かう一体感が伝わります。人混みに焦ることなく、流れに身を任せることで生まれる静かな安心感や、年の初めの厳かな気持ちが美しく描かれた一句です。

初詣 屋台の飴に はしゃぐ声

解説:初詣の参道に並ぶ屋台で、飴細工や露店を見つけてはしゃぐ子どもたちの無邪気な声を詠んでいます。初詣という厳かな行事の中にも、賑やかな屋台や子どもたちの笑顔が光る、明るく温かな光景が描かれています。新年の始まりには、神聖さだけでなく、こうした日常の楽しさや喜びも共存しており、それが句全体に幸福感をもたらしています。人々の笑い声や屋台の賑わいから、新年の活気と温かな家族の情景が目に浮かぶ、ほのぼのとした一句です。

初詣 変わらぬ願い 浮かびし顔

解説:初詣で手を合わせる際に、自然と浮かぶ大切な人の顔や変わらぬ願いを詠んでいます。毎年繰り返される新年の祈りの中で、浮かんでくる顔は家族や友人、あるいは大切な誰かでしょう。その姿は、作者にとって普遍的であり、新しい年にもその幸せや健康を願う気持ちが込められています。静かに手を合わせながら、心に浮かぶ顔があることで、初詣が単なる行事ではなく、深い祈りの場であることを感じさせる句です。

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著者 / Tommy Ikura

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