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季語「七草(ななくさ)」の解説と季語を使った俳句の例
新年の季節の季語の一つである「七草(ななくさ)」です。
七草
「七草(ななくさ)」は、新年の1月7日に「七草粥」を食べる風習に由来する季語です。七草は春の七草と呼ばれる「芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)、清白(すずしろ)」で、これらの若菜を粥に入れていただくことで無病息災や健康を願います。正月のご馳走で疲れた胃を休め、新たな年の健康を祈願する意味が込められた行事です。俳句では、七草粥を作る朝の静けさや若菜を刻む音、湯気が立つ温かな情景を通して、新年の素朴で清々しい気持ちや、人々の健康を願う心が表現されます。
季語「七草(ななくさ)」を使った俳句の例です。[2]
七草に 健やか願い 箸運ぶ
解説:新年の七草粥を食べながら健康を願う様子を丁寧に描いています。七草粥に込められた「健やか願い」という表現が、新しい年を健康に過ごしたいという素朴な祈りを感じさせます。「箸運ぶ」という具体的な動作が、日常の小さな幸せや温かな食卓の風景を思い起こさせ、穏やかな朝の情景を優しく伝えています。七草粥は正月のご馳走の後に体を労わるための食べ物でもあり、この句には、伝統行事を通じて新年の平穏や健康を願う気持ちがしっかりと込められています。
七草の 音と匂いが 包む朝
解説:七草粥を作る朝の台所の情景を、音と匂いで表現した一句です。「音と匂いが」というフレーズが視覚以外の感覚にも訴えかけ、七草を刻む包丁の音や、煮える粥から立ちのぼる優しい匂いが心に浮かびます。「包む朝」という表現が、七草粥が持つ温かさや静けさ、家族の健康を願う時間そのものを優しく包み込んでいるようで、新年の清らかな始まりが感じられます。
著者 / Tommy Ikura
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