季語「出初(でぞめ)」の解説と季語を使った俳句の例

新年の季節の季語の一つである「出初(でぞめ)」です。

出初

季語の解説:

「出初(でぞめ)」とは、新年に行われる消防関係者の仕事始めで、火消しや消防団が一斉に行う演技や訓練のことを指します。江戸時代から続く伝統行事で、特に「出初式」として知られ、梯子乗りや放水、整列した消防士の姿が勇壮に披露されます。この行事は、災害を防ぎ、無事な1年を祈願する意味合いがあり、新年らしい活気や清々しさを感じさせます。俳句では、放水の光景や、冬の澄んだ空に映える水しぶき、消防士たちの真剣な表情や整列する姿が詠まれることが多いです。新しい年の希望や力強さを象徴する季語であり、特に都会的な新年の風物詩として詠まれます。

季語を使った自作の俳句:

季語「出初(でぞめ)」を使った俳句の例です。[2]

出初式 熟練の技に 口閉じず

解説:出初式で披露される消防士たちの熟練した技に驚きと感動を覚える観客の様子を詠んでいます。「熟練の技」という表現から、長年の鍛錬を積んだ者たちの見事な演技や技術が伝わり、観衆が息を呑み、思わず口を閉じることも忘れて見入る様子が生き生きと描かれています。出初式は新年の無病息災や防火を祈念する伝統行事ですが、この句はその中で人々の真剣なまなざしや、技を披露する側の凛々しい姿に焦点を当てています。

出初式 水の弧描き 虹ひかる

解説:出初式の放水演技の美しさと自然が織りなす光景を詠んでいます。「水の弧描き」という表現が、水が放たれる瞬間のダイナミックな動きを鮮明に描き出し、それが虹を生み出す瞬間へとつながっています。「虹ひかる」は、水しぶきが光に照らされて虹がかかる美しい情景を見事に捉えています。新年の静かな冬空と水の力強い放物線、そしてその中に生まれる自然の輝きが調和し、新しい年への祝福や希望が感じられる句です。

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著者 / Tommy Ikura

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