季語「若菜野(わかなの)」の解説と季語を使った俳句の例

新年の季節の季語の一つである「若菜野(わかなの)」です。

若菜野

季語の解説:

「若菜野(わかなの)」とは、春の七草などの若菜を摘む場所を指し、新年の季語として用いられます。古くから、七草摘みは新年に健康や長寿を願う伝統行事とされ、その菜を摘むために野に出ることが「若菜野」として風物詩となりました。若菜は新しい生命の象徴でもあり、芽吹く草々や大地の力強い息吹を感じる情景が、新春の希望や清々しさを引き立てます。俳句においては、若菜を摘む人々の姿や野の風景、草の緑の美しさ、摘む手の温もりなどが詠まれ、新年の自然と人の営みが調和する句として表現されます。

季語を使った自作の俳句:

季語「若菜野(わかなの)」を使った俳句の例です。

若菜野や 摘みし葉ひとつ 父に問う

解説:新年の若菜摘みの風景の中で、摘んだ一枚の若菜について父に尋ねる情景を詠んでいます。「若菜野」という新年の季語が自然の清々しさや春の息吹を感じさせるとともに、「父に問う」という行為が家族の温かい絆や、世代を超えた教えの伝承を象徴しています。一枚の若菜が持つ小さな存在感が、自然への敬意や父との対話を通じて大きな意味を持つように感じられます。新年の穏やかな時間と共に、家族のつながりや学びの姿が美しく描かれた句です。

若菜野で 家族で探す 大切な時

解説:新年の若菜摘みを家族と共に楽しむ様子を詠んでいます。「大切な時」という表現には、家族と過ごす時間そのものの尊さや、新年ならではの穏やかな幸福感が込められています。若菜摘みという自然の中の行為と、家族で一緒に探すという動きが重なり、日常とは違う特別なひとときが感じられます。抽象的な表現ながらも、読み手には「若菜野」という清々しい自然の風景と、家族との触れ合いが情景として浮かび、新年の喜びや希望が伝わる句です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「若菜野(わかなの)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

若菜野や 八ツ谷原の 長命寺

作者:石田波郷

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著者 / Tommy Ikura

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