季語「初夢(はつゆめ)」の解説と季語を使った俳句の例

新年の季節の季語の一つである「初夢(はつゆめ)」です。

初夢

季語の解説:

「初夢(はつゆめ)」とは、新年になって初めて見る夢のことで、一般的には元旦の夜から二日の朝、または二日の夜から三日の朝にかけて見た夢を指します。古くから縁起の良い夢として「一富士、二鷹、三茄子」が有名で、吉兆を占うものとして人々の心に根付いてきました。新しい年の始まりに見た夢は、未来への希望や願い、人生の豊かさへの象徴ともなり、俳句ではその夢の内容や目覚めの気持ち、静かな夜の情景などが詠まれます。初夢を通して、新年の明るい予感や静かな時間の流れ、そして夢に託された人々の願いを詠むことができます。

季語を使った自作の俳句:

季語「初夢(はつゆめ)」を使った俳句の例です。

初夢や 目覚めしときに 消え去りぬ

解説:新年最初の夢「初夢」が目覚めた瞬間に儚く消えてしまう様子を詠んでいます。夢の持つ不確かさや、現実との境目にある一瞬の感覚が表現されており、夢特有の掴みどころのなさと、新年の清々しい空気が感じられます。「消え去りぬ」という表現が、夢が淡く消えていく切なさを強調しつつも、新しい年の始まりの静けさや希望へと繋がるような余韻を残しています。シンプルながらも初夢の神秘的な性質をよく捉えた句です。

初夢や 逃げ行く茄子を 追う自分

解説:新年の縁起物「一富士二鷹三茄子」の茄子が初夢に登場し、それを追いかけるというユーモラスな情景を詠んでいます。夢の中の滑稽な出来事を描くことで、初夢らしい不思議さや非現実感が伝わります。茄子という縁起物が逃げていく様子にはどこか現実の欲や願望を象徴しているようでもあり、それを追う自分の姿には親しみやすさや人間らしさが感じられます。初夢ならではの軽やかなユーモアと、夢の中の明るさが描かれた楽しい一句です。

子の寝息 楽しい初夢 願いけり

解説:子供の寝息を聞きながら、その子が楽しい初夢を見ていてほしいと願う親の優しさと愛情を詠んだ句です。新年の静かな夜、穏やかに眠る子供の寝顔と寝息が描かれ、その姿を見つめる親の心情が「楽しい初夢 願いけり」という言葉に表れています。初夢という季語を通じて、新年の希望や未来への祈りが自然と伝わってきます。家庭の温かさと、新年ならではの幸せな時間が感じられる、心が温まる一句です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「初夢(はつゆめ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

初夢に 古郷を見て 涙かな

作者:小林一茶

初夢や 金も拾はず 死にもせず

作者:夏目漱石

初夢で 逢ひしを告げず 会ひにけり

作者:稲畑汀子

初夢の 唯空白を 存したり

作者:高浜虚子

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著者 / Tommy Ikura

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