季語「双六(すごろく)」の解説と季語を使った俳句の例

新年の季節の季語の一つである「双六(すごろく)」です。

双六

季語の解説:

「双六(すごろく)」は、新年の娯楽として親しまれる伝統的な遊びで、新年の季語です。主にサイコロを振って駒を進め、ゴールを目指す盤上遊戯であり、家族や親戚が集まるお正月ならではの風景として描かれます。江戸時代には「絵双六」や「道中双六」などが流行し、現代においても子供から大人まで楽しむ場面があります。俳句では、サイコロの転がる音や進む駒、勝敗に一喜一憂する様子、遊びながら囲む人々の笑顔や温かさが詠まれ、新年の団らんや穏やかな時間が描かれます。双六は、新しい年の幸運や希望の象徴としても用いられることがあり、特に家族とのひとときや正月らしい賑やかさが印象的に映る季語です。

季語を使った自作の俳句:

季語「双六(すごろく)」を使った俳句の例です。

双六や 盤上響く もう一回

解説:双六を楽しんでいる場面で、サイコロが盤上を転がり響く音とともに、「もう一回」と誰かが再挑戦を望む様子を詠んでいます。「盤上響く」という描写が臨場感を生み出し、双六の遊びの中で盛り上がる瞬間が鮮やかに浮かびます。「もう一回」という言葉は子供らしい無邪気さや遊びの楽しさを象徴し、正月らしい賑やかで明るい空気が感じられる句です。家族や友人との団らんのひとときをシンプルに表現しており、新年の温かさと遊びの醍醐味が伝わる一句です。

寝正月 双六の音に 目を覚まし

解説:お正月にゴロゴロと寝正月を過ごしている中、双六のサイコロの音に目を覚ますという穏やかでほのぼのとした情景を詠んでいます。「寝正月」という季語が、新年のゆったりとした時間の流れやだらりと過ごす幸福感を象徴しており、そこに双六の音が響くことで、家族や友人の楽しげな様子が感じられます。静かな寝正月と双六の賑やかな音の対比が面白く、新年ならではの風景と時間の豊かさが伝わる句です。

双六や 止まる賽の目 顔寄せる

解説:双六遊びの中でサイコロが止まる瞬間、遊んでいる人たちが駒やサイコロの目を確かめようと顔を寄せる様子を詠んでいます。「顔寄せる」という表現が、双六に夢中になる子供や大人たちの姿を鮮やかに描き出し、遊びの中で一体となる温かさや楽しさが伝わります。サイコロの止まる瞬間の緊張感と、それを囲む人々の高揚感や期待感がうまく表現されており、新年の団らんの賑やかな一場面が心に残る句です。

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著者 / Tommy Ikura

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