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季語「数の子(かずのこ)」の解説と季語を使った俳句の例
新年の季節の季語の一つである「数の子(かずのこ)」です。
数の子
「数の子(かずのこ)」は、おせち料理に欠かせない食材で、ニシンの卵を塩漬けや味付けにしたものです。多くの卵が一腹に詰まっていることから、「子孫繁栄」や「家族の繁栄」の象徴とされ、新年のお祝いの席に並べられます。俳句では、おせち料理の一品としての存在感や、食卓に集う家族の姿、数の子を噛むときの食感や音、味わいを通して、新年らしい穏やかさや幸せを表現することが多いです。視覚的にも淡い黄色が華やかさを添え、口にすることで新年の幕開けを実感させる食材でもあります。家庭的な温かさやお正月の伝統、未来への願いを詠む俳句にふさわしい季語です。
季語「数の子(かずのこ)」を使った俳句の例です。[2]
数の子や 夕餉に華を 咲かせけり
解説:新年の食卓に並んだ数の子が、まるで華が咲いたかのように食卓を彩っている様子を詠んだ作品です。数の子の淡い黄色と正月のお祝いの雰囲気が視覚的に感じられ、「華を咲かせけり」という表現が新年の食卓の明るさや賑わいを引き立てています。数の子が持つ「子孫繁栄」という縁起の良さも重なり、家族や親しい人々が集う夕餉のひとときが、温かく華やかに描かれています。
数の子や 届きし箱に 母の文
解説:故郷から届いた箱に数の子が入っており、その中に添えられた母の手紙があるという情景を詠んだ句です。数の子は新年を祝う食材としての象徴であり、それを送る母の気持ちが手紙を通して伝わってきます。「届きし箱」という言葉からは、遠くに住む母親の愛情や、家族を思う温かさが感じられ、「母の文」によって故郷とのつながりがしみじみと胸に迫ります。新年の華やかな祝いの食卓の裏にある家族の絆や、故郷への懐かしさが美しく表現された作品です。
著者 / Tommy Ikura
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