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季語「鏡餅(かがみもち)」の解説と季語を使った俳句の例
新年の季節の季語の一つである「鏡餅(かがみもち)」です。
鏡餅
「鏡餅(かがみもち)」は、新年に年神様を迎えるために飾る餅であり、古くから伝わる正月の風習です。大小2つの丸い餅を重ね、その上に橙(だいだい)や昆布、串柿などを飾りつけることで、家族の繁栄や健康、豊作を願う意味が込められています。丸い形は「円満」や「調和」を象徴し、鏡に似ていることからその名がついたとも言われます。俳句では、鏡餅を飾る家庭の風景や新年の清々しさ、飾られた餅の厳かな美しさ、年神様を迎える気持ちの引き締まりが詠まれます。また、鏡餅が持つ伝統や神聖な雰囲気と、現代の生活に溶け込む姿を詠むことも多く、静かな正月の情景を描き出します。
季語「鏡餅(かがみもち)」を使った俳句の例です。[2]
鏡餅 神棚に据え 厳かに
解説:新年を迎え、鏡餅を神棚に飾るという伝統的な光景を詠んでいます。「厳かに」という表現が、鏡餅を飾る瞬間の神聖な空気や、年神様を迎える心の引き締まりを感じさせます。新年の静謐な時間や家族の祈り、無事を願う気持ちが句全体に漂い、鏡餅が持つ象徴的な意味とともに、新年の始まりの厳かな雰囲気がしっかりと伝わってきます。
鏡餅 熱く見つめる 猫一匹
解説:鏡餅という神聖で静かな存在を、猫が興味津々に見つめる様子を詠んでいます。鏡餅の厳粛さと、猫の無邪気で愛らしい仕草が対比されることで、ユーモラスで温かな光景が浮かび上がります。猫の「熱く見つめる」という表現には、猫特有の真剣さや、何か動き出しそうな緊張感も感じられ、静かな新年の空間に小さな生命の動きが加わることで、句全体が生き生きとした印象になります。
著者 / Tommy Ikura
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