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季語「福笑い(ふくわらい、ふくわらひ)」の解説と季語を使った俳句の例
新年の季節の季語の一つである「福笑い(ふくわらい、ふくわらひ)」です。
福笑い
「福笑い、福笑ひ」は、新年の遊びの一つで、目隠しをした人が顔の各パーツ(目、鼻、口など)を台紙に置いていくことで面白い顔ができあがり、周囲の人が笑い合うというものです。「笑う門には福来る」という言葉にも通じ、笑いが新年に福を招くとされる縁起の良い遊びです。福笑いは、遊びの簡単さから子供から大人まで楽しめ、家族や親戚が集まる正月ならではの賑やかで温かな風景を生み出します。俳句では、遊びの最中の笑い声や、できあがった顔の滑稽さ、家族や友人たちの和やかな時間を表現することで、新年の幸せや団欒を感じさせる句となります。
季語「福笑い(ふくわらい、ふくわらひ)」を使った俳句の例です。
福笑い 鼻と目と口 どこへやら
解説:新年の伝統遊び「福笑い」で、顔のパーツが無作為に置かれてしまい、目や鼻、口が本来の位置とは全く違う場所に行ってしまった滑稽な様子を詠んだものです。「どこへやら」という軽やかな言葉が、笑いに満ちた遊びの中で起きるハプニングをユーモラスに表現しています。見る人々の笑い声や、和やかな家族の団欒が自然と浮かび上がり、新年らしい賑やかなひとときを描いています。
福笑い 子の指作る アートかな
解説:福笑いを楽しむ子供が、目隠しをした状態で真剣に顔のパーツを並べる様子を「アート」と捉えた作品です。完成した顔は無作為でありながら、子供の純粋な遊び心や創造性が感じられます。「アートかな」という結びが、できあがった滑稽な顔を芸術作品のように見立て、ユーモアと新鮮な感覚を加えています。福笑いの遊びの中に子供の成長や無邪気さを感じさせ、新年の希望や温かい空気感が伝わる一句です。
福笑い 生まれし顔も 大笑い
解説:福笑いで偶然生まれた顔のユーモラスさが、まるでその顔自体が笑っているかのように見える様子を詠んだものです。「生まれし顔」という表現が、無作為に配置された顔のパーツを新たな作品として描き出し、その滑稽さが周囲の人々を笑顔にする情景を見事に表現しています。「大笑い」という結びは、見る人々の笑い声だけでなく、その笑いが空間全体に広がる明るい雰囲気を感じさせます。
著者 / Tommy Ikura
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