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季語「独楽(こま)」の解説と季語を使った俳句の例
新年の季節の季語の一つである「独楽(こま)」です。
独楽
「独楽(こま)」は新年の遊びとして親しまれてきた伝統的な玩具で、子供たちが独楽を回して競い合う姿は正月の風物詩として定着しています。独楽が勢いよく回る様子は生命力や活力を象徴し、安定して回り続ける姿から縁起物としても扱われてきました。また、回転の音や色鮮やかな模様が楽しさを増し、家族や友人たちとの賑やかな正月の情景が広がります。俳句では、独楽の動きや音、回る瞬間の静けさ、子供たちの笑顔や競争心が詠まれることが多く、新年らしい活気や楽しさ、遊びの中にある平和や希望が感じられる季語となります。
季語「独楽(こま)」を使った俳句の例です。[2]
祖父の手が 放ちし独楽に 子の歓声
解説:祖父が独楽を放ち、それが勢いよく回る様子に、子供たちが歓声を上げる情景を詠んでいます。「祖父の手が 放ちし独楽」という表現が、祖父の経験や技を感じさせ、家族の温かい時間を伝えています。そして「子の歓声」という結びが、子供たちの純粋な喜びや興奮を生き生きと描き、新年らしい賑やかな雰囲気を際立たせています。世代を超えて受け継がれる伝統遊びの中に、祖父と孫のつながりや、正月特有の穏やかで活気ある空気が広がっている一句です。
独楽回し 冷めたる顔も 輝けり
解説:最初は興味を示さず、冷めた表情だった人々や子供たちが、独楽回しの遊びに次第に引き込まれて夢中になっていく姿を詠んでいます。「冷めたる顔も」という言葉が、現代の子供たちや大人が伝統的な遊びに対して感じる距離感を象徴しており、その冷めた表情が「輝けり」という結びによって一転することで、遊びがもたらす楽しさや活気が強調されています。独楽が回る姿に引き込まれ、笑顔が自然と湧き出る瞬間が目に浮かび、伝統的な遊びの魅力や人々の温かなつながりを感じる句です。
著者 / Tommy Ikura
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