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季語「寝正月(ねしょうがつ)」の解説と季語を使った俳句の例
新年の季節の季語の一つである「寝正月(ねしょうがつ)」です。
寝正月
「寝正月」は新年の休みの間に出かけることもなく、家の中でひたすらのんびりと過ごすことを表す季語です。忙しい年末を終え、新しい年を迎えた安堵感から、何をするでもなく寝たり、ゴロゴロ過ごしたりする姿には、正月らしい穏やかな贅沢が感じられます。普段の生活では怠惰と見なされるような行動も、寝正月では許され、むしろ心と体を休める大切な時間と捉えられます。俳句では、炬燵(こたつ)や布団の中、テレビや本を傍らに過ごす様子、外の賑わいと対比させた静かな日常などを詠むことで、正月特有のリラックスした空気感や人々の表情が浮かび上がります。
季語「寝正月(ねしょうがつ)」を使った俳句の例です。[2]
寝正月 日が昇れども 寝巻姿
解説:新年の穏やかな時間を象徴する「寝正月」の情景を描いています。日が昇ってもなお寝巻き姿のままで過ごす様子は、時間に追われることなく、ゆったりとしたひとときを楽しむ贅沢さを感じさせます。普段の忙しい日常では考えられない、だらりとした生活が許されるのも正月ならではの特別感があるからこそです。日常の「あるべき姿」から解放された、くつろぎと安堵感が巧みに表現されています。正月の幸福な怠惰が伝わってくる句です。
寝正月 炬燵と布団を 往復し
解説:寝正月の過ごし方をさらに具体的に表現しています。「炬燵と布団を往復し」という表現が、新年の間だけ許される究極の怠惰ともいえる贅沢な時間の過ごし方を描き出しています。炬燵に入って温まり、布団に戻って眠るという行動の繰り返しには、正月ならではの穏やかさと人間らしい飾らない姿が感じられます。シンプルな描写ながらも、共感を呼ぶ情景であり、読む者に心地よい余裕や安堵を届ける句となっています。
著者 / Tommy Ikura
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