季語「猿廻し（さるまわし）」の解説と季語を使った俳句の例

新年の季節の季語の一つである「猿廻し（さるまわし）」です。

猿廻し

「猿廻し」は、新年に行われる伝統的な大道芸の一つで、猿使いが猿に芸をさせて観客を楽しませる光景を指す新年の季語です。この行事は、新春の祝いと繁栄を願う意図が込められており、猿は日本の文化において神聖な動物とされています。猿廻しは、神社や街角で見られることが多く、その猿の愛らしい動きと巧みな芸が、新春の喜びや活気を象徴します。俳句では、「猿廻し」を題材に、新年の賑やかな雰囲気や観客の反応、猿の動きに感じる可愛らしさを詠むことが多いです。また、猿使いの技やその背後にある物語性を取り入れることで、新年の伝統的な情景を描写する際に用いられます。

季語「猿廻し（さるまわし）」を使った俳句の例です。[1]

猿回し 二重三重の 輪ができり

解説：猿回しの大道芸を中心に、人々が自然と集まって輪を作る様子を描写しています。「猿回し」という季語が、新年の賑やかな情景と伝統的な風物詩を感じさせます。「二重三重の」という具体的な描写が、観客の興味や盛り上がりを表現し、猿回しがどれほど人を引きつけているかを効果的に伝えています。最後の「輪ができり」という結びが、場の温かさと和やかさを表し、新春の明るく楽しい雰囲気を見事に表現しています。

季語「猿廻し（さるまわし）」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

竹馬を よけて通るや 猿まはし

作者：高浜虚子

うつくしき 妹をもてり 猿まはし

作者：正岡子規