季語「屠蘇(とそ)」の解説と季語を使った俳句の例

新年の季節の季語の一つである「屠蘇(とそ)」です。

屠蘇

季語の解説:

「屠蘇」とは、新年に家族や親しい人々とともに飲む縁起物のお酒のことを指し、無病息災や長寿を願う意味合いを持つ新年の季語です。屠蘇は生薬を混ぜた酒やみりんを用い、正月の朝に家族で交わす習慣として伝統的に行われています。その一杯には、新しい年を健やかに迎える喜びと感謝の心が込められています。俳句では、「屠蘇」を通じて、新年の祝いのひとときや家族の絆、正月の静かな朝の雰囲気などを表現することができます。また、屠蘇を飲む行為を通じて、過ぎ去った年を振り返りつつ、新たな希望を詠むことも可能です。

季語を使った自作の俳句:

季語「屠蘇(とそ)」を使った俳句の例です。[1]

屠蘇飲みて 頬に赤みが 浮かびけり

解説:屠蘇を飲んだ後に頬が赤らむ様子を描写しており、新年の和やかなひとときを鮮やかに伝えています。「屠蘇飲みて」という冒頭が、新年の始まりに行われる伝統的な行事をシンプルかつ効果的に表現しています。「頬に赤みが浮かびけり」という描写は、屠蘇を飲むことによる身体の変化を通じて、その温かさや心地よさ、新年を迎える幸福感を繊細に表しています。この句は、屠蘇の持つ風味や、家族や親しい人々と過ごすひとときのぬくもりを想像させる親しみやすい作品です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「屠蘇(とそ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

金泥の 鶴や朱塗の 屠蘇の盃

作者:夏目漱石

せはしなき 人やと言はれ 屠蘇を受く

作者:水原秋桜子

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著者 / Tommy Ikura

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