季語「雑煮（ぞうに）」の解説と季語を使った俳句の例

新年の季節の季語の一つである「雑煮（ぞうに）」です。

雑煮

雑煮は、新年に食される伝統的な料理で、地域や家庭ごとに異なる味や具材が特徴的です。もちや野菜、魚介類、鶏肉などを煮込んだ一品で、正月の祝い膳には欠かせない存在です。雑煮には、家族の繁栄や健康を願う意味が込められており、新年の団らんを象徴する料理として俳句に詠まれます。この季語を用いる俳句では、湯気や香り、器の彩りを通して、正月の温もりや幸福感を描写することが多いです。また、地域ごとの雑煮の特色が、俳句に独自の風味を加えることもあります。

季語「雑煮（ぞうに）」を使った俳句の例です。[1]

家族揃い 熱々の雑煮 頬張りぬ

解説：新年の家族の団らんを温かく描いた一句です。「家族揃い」という言葉から、正月の特別なひとときを共有する幸せが伝わります。そして「熱々の雑煮」という描写が、食卓に広がる湯気や香りを感じさせ、家庭の温もりをリアルに伝えています。「頬張りぬ」という結びが、生き生きとした動きと、満たされた喜びを象徴しており、新年の幸福感を端的に表現した一首と言えます。温かみと幸せに満ちた、共感を呼ぶ俳句です。

季語「雑煮（ぞうに）」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

長病の 今年も参る 雑煮かな

作者：正岡子規

三椀の 雑煮かゆるや 長者ぶり

作者：与謝蕪村

雑煮食うて ねむうなりけり 勿体な

作者：村上鬼城