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季語「春雷(しゅんらい)」の解説と季語を使った俳句の例
春の季節の季語の一つである「春雷(しゅんらい)」です。
春雷
「春雷」は、春先に鳴る雷のことで、冬の静寂を破って春の到来を告げる季語です。冬の雷とは異なり、春雷は大地や空を揺らすものの、どこか柔らかさや温かみを含んでおり、春のエネルギーや生命の芽吹きを感じさせます。突然の雷鳴は驚きや力強さを象徴し、同時に季節の変わり目の不安定な天候や自然の動きを示します。俳句では、春雷の音や光、そしてそれに反応する自然や人々の情景が詠まれることが多く、静かな春の日常に訪れるドラマティックな瞬間として捉えられます。雷鳴が鳴り響く中に、春の息吹や自然の活力を感じ取ることができる季語です。
季語「春雷(しゅんらい)」を使った俳句の例です。[2]
春雷に 街の流れも 止まりけり
解説:春雷が響き渡った瞬間に、日常の喧騒や人々の動きが一瞬止まる様子を描いています。「春雷」という季語が持つ力強さや突然性が、日常の街に非日常的な緊張感をもたらし、時間の流れさえ止まったかのような静寂が生まれる情景が浮かびます。「街の流れも」という表現が、街を行き交う人や車の動きを想起させ、「止まりけり」という結びが、その一瞬の驚きや静けさを強調しています。
春雷に 眠りしものも 動き出し
解説:春雷が自然界に響き渡り、冬の間に眠っていた生命や自然の営みが目覚める様子を詠んでいます。「眠りしもの」という表現が、地中の草木や生き物、あるいは人々の心の中の静けさを暗示し、春雷の音によってそれらが「動き出し」という力強い言葉で描かれています。春雷は、春の訪れを告げるエネルギーの象徴であり、その音に応えるかのように、静かだった自然や生命が動き始める瞬間の躍動感が伝わります。大地の中に潜んでいた生命が一斉に息を吹き返すような情景には、春の力強さと再生の希望が感じられる一句です。
季語「春雷(しゅんらい)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
春雷に お能始まる 御殿かな
作者:村上鬼城
山の背を ころげ廻りぬ 春の雷
作者:高浜虚子

著者 / Tommy Ikura
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