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季語「朧月(おぼろづき)」の解説と季語を使った俳句の例
春の季節の季語の一つである「朧月(おぼろづき)」です。
朧月
「朧月」とは、春の夜、薄い雲や霞に覆われてぼんやりと見える月を指します。冬の鋭い月光とは対照的に、春の朧月は柔らかで穏やかな光を放ち、春特有の空気感や情緒を感じさせます。朧月の薄明かりは、夜の景色や自然、人々の心情に淡い色彩を添え、はかなさや夢幻的な雰囲気を演出します。俳句では、静かな夜の情景や心の内に広がる感慨、春の移ろいを詠む際に用いられます。朧月は、見る者の心を穏やかにし、季節の優しさと夜の神秘性を同時に感じさせる、春らしい季語です。
季語「朧月(おぼろづき)」を使った俳句の例です。[2]
朧月 桜をそっと 照らしけり
解説:春の夜、朧月の柔らかな光が桜をそっと照らしている静かな情景を描いています。「朧月」という季語が持つ柔和な雰囲気と、「桜」という春の象徴が見事に調和し、静寂の中に漂う春の夜の美しさが感じられます。「そっと」という表現が、月の光の控えめで優しい性質を強調し、桜と月が織りなす幻想的な風景を鮮やかに浮かび上がらせています。この句は、春の夜の静けさと桜の儚さを丁寧に描き、自然の一瞬の美しさに心が惹かれる情景を読み手に伝える優しい一句です。
古都照らす 朧月夜も 風情あり
解説:春の朧月が古都を静かに照らし、その情景に宿る風情を詠んでいます。「古都」という言葉が、歴史を感じさせる街並みや建物を想像させ、朧月の柔らかな光がそれらをそっと包み込むことで、古都独特の静謐さと趣深さが感じられます。「風情あり」という結びが、朧月がもたらす情景の魅力を簡潔にまとめており、読み手に古都の夜を散策するような穏やかで心落ち着く印象を与えます。この句は、春の夜の柔らかい月光と、古都が持つ歴史的な風景の調和を見事に描き出した一句です。
季語「朧月(おぼろづき)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
敦盛の 笛聞こえけり 朧月
作者:正岡子規
三条の 上で逢ひけり 朧月
作者:夏目漱石
さしぬきを 足でぬぐ夜や 朧月
作者:与謝蕪村
花の顔に 晴れうてしてや 朧月
作者:松尾芭蕉

著者 / Tommy Ikura
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