季語「朧(おぼろ)」の解説と季語を使った俳句の例

春の季節の季語の一つである「朧(おぼろ)」です。

俳句で使われる季語「朧」をイメージしたイラストです

季語の解説:

「朧」とは、春特有の霞がかった空気感や、視界がぼんやりとして柔らかな印象を与える光景を指します。「朧月」や「朧夜」などと組み合わせて使われることも多く、春の夜や夕暮れの情緒的で幻想的な雰囲気を表現するのに適した季語です。その不確かで夢幻的な印象は、春の季節感を象徴するとともに、自然と心情の移ろいを詠む際にも効果的です。朧は、明確で鮮明なものではなく、曖昧さやはかなさ、優しさを含んでおり、春の穏やかな時間や情景を描く際にしばしば用いられます。

季語を使った自作の俳句:

季語「朧(おぼろ)」を使った俳句の例です。[2]

汽笛鳴る 朧の中に 船の影

解説:朧に包まれた夜の中で、遠くから聞こえる汽笛と朧に溶け込む船の影を描いています。「汽笛鳴る」という音の描写が静寂の中に響き渡る情景を印象づけ、「朧の中に船の影」という視覚的なぼんやりした描写が、朧特有の幻想的な雰囲気を強調しています。この句は、音と視覚が織りなす静かで神秘的な情景を見事に表現しており、朧の中に漂う船の姿が詩的な広がりを感じさせる作品です。

街灯り 朧が包み 夢の中

解説:街の灯りが朧によってやわらかく包まれ、幻想的な風景が広がる様子を描いています。「街灯り」という日常的な風景を、「朧が包み」という表現で特別な世界に変化させています。「夢の中」という結びが、現実と非現実の境界が曖昧になるような、朧の持つ神秘的な性質を強調しています。この句は、日常の風景を詩的に切り取り、幻想的な世界へと誘うような魅力を持っています。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「朧(おぼろ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

大門に 閂落す 朧かな

作者:村上鬼城

辛崎の 松は花より 朧にて

作者:松尾芭蕉

朧夜の 塔のほとりに 影法師

作者:川端茅舎

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

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