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季語「弥生(やよい)」の解説と季語を使った俳句の例
春の季節の季語の一つである「弥生(やよい)」です。
弥生
「弥生(やよい)」は春の季語で、旧暦3月を指します。「弥生」には「草木がいよいよ生い茂る」という意味が込められており、春が本格的に訪れ、自然が活気づく時期です。桜が咲き始める季節で、春の陽気や命の躍動が感じられる弥生は、寒さが緩み、草花が豊かに生い茂る情景が連想されます。この季語は、春の生命力や明るい気配を表すのにふさわしい言葉です。
季語「弥生(やよい)」を使った俳句の例です。[2]
散歩道 弥生の日差し 降りそそぐ
解説:弥生(三月)の明るく柔らかな日差しが散歩道に降り注ぐ情景を描いています。「散歩道」というシンプルな言葉からは、日常の穏やかなひとときや心のゆとりが感じられます。「弥生の日差し」という表現は、冬の冷たい光とは異なる春特有の温かみや明るさを象徴し、「降りそそぐ」という言葉が光の豊かさと春の力強い生命感を際立たせています。この句の魅力は、視覚的な美しさとともに、春ののどかさや平穏な時間の流れを感じさせるところにあります。春の日差しが全てを優しく包み込んでいるような情景が浮かび、読む人の心にも春の温かさや心地よさが広がる一句です。
重ねゆく 出会いと別れ 弥生かな
解説:春の三月(弥生)に訪れる出会いと別れの繰り返しを、人生の一場面として静かに詠んでいます。「重ねゆく」という表現が、時間の積み重ねや人との関わりが繰り返される様子をしみじみと伝え、季節の移ろいと人の営みを重ね合わせています。「弥生かな」という結びは、卒業や旅立ち、春の始まりといった弥生の季節が持つ感慨深さを余韻として残しています。この句の魅力は、春という季節に起こる別れと新しい出会いを普遍的なものとして描きながらも、時間の流れを静かに受け止める落ち着きと余韻がある点です。
季語「弥生(やよい)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
碧天や 雪煙たつ 弥生富士
作者:水原秋桜子
濃かに 弥生の雲の 流れけり
作者:夏目漱石

著者 / Tommy Ikura
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