季語「長閑(のどか)」の解説と季語を使った俳句の例

春の季節の季語の一つである「長閑(のどか)」です。

長閑

季語の解説:

「長閑」とは、春の穏やかな陽気や静かな自然の様子を表す季語です。春の柔らかな陽ざしが大地を包み、空気も暖かく、風景全体がのびやかで穏やかに感じられる情景が描かれます。「長閑」は気候や景色だけでなく、人々や動物たちのゆったりとした動きや心の平穏をも含む言葉です。春ならではの安らぎや時間のゆっくりとした流れがあり、俳句ではこの心地よい空気感や静けさが詠まれることが多いです。

季語を使った自作の俳句:

季語「長閑(のどか)」を使った俳句の例です。[2]

長閑かな 木漏れ日揺れて ひと眠り

解説:春の柔らかな陽光が木々の隙間から揺れ動く「木漏れ日」を描き、そこに穏やかな眠りのひとときを重ねています。「長閑かな」という季語が句全体に春の静けさと安らぎを運び、時間がゆっくりと流れる情景が目に浮かびます。木漏れ日が揺れる様子は風の存在を暗示し、自然との一体感が感じられる一句です。読み手はその穏やかさに癒されると同時に、春の陽気に誘われてウトウトとまどろむ気持ちが共感を呼びます。

河口湖 ボート揺らして 長閑なり

解説:河口湖という具体的な場所を舞台に、穏やかに浮かぶボートの様子を詠んでいます。「揺らして」という表現が、湖面にさざ波が立つほどの微かな春の風や静かな湖の情景を鮮やかに描き出しています。「長閑なり」という季語が春の平穏で満ちた時間を強調し、湖の広がりや周囲の自然までも感じさせます。読んでいるだけで、湖畔の穏やかな空気や静寂に包まれるような気持ちになる一句です。旅や日常の小さな幸せを感じる春らしい情景が心地よい作品です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「長閑(のどか)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

長閑さや 浅間のけぶり 昼の月

作者:小林一茶

人形も 馬もうごかぬ 長閑さよ

作者:夏目漱石

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

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