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季語「曲水(きょくすい)」の解説と季語を使った俳句の例
春の季節の季語の一つである「曲水(きょくすい)」です。
曲水
「曲水(きょくすい)」は春の季語で、「曲水の宴(きょくすいのえん)」という雅な行事に由来しています。曲水の宴は、日本や中国で古来から行われてきたもので、庭園の曲がりくねった小川に杯を浮かべ、杯が流れ着くまでに詩を詠むという風雅な儀式です。平安時代の貴族文化を彷彿とさせ、春の川の穏やかな流れと詩情が楽しみとされました。曲水には、自然と人が一体となって春の訪れを祝い、風雅を楽しむ心が込められています。
季語「曲水(きょくすい)」を使った俳句の例です。[1]
曲水や ゆらゆら巡る 杯を追う
解説:「曲水の宴」という雅な春の行事を繊細な描写で表現しています。「曲水や」という冒頭が、古典的な情景を鮮やかに示し、歴史的な趣きを漂わせています。「ゆらゆら巡る 杯」というフレーズが、緩やかに流れる水路と、その上を浮かび進む杯の動きを柔らかく描写し、静けさの中にある儚さを感じさせます。「杯を追う」という結びが、ただ杯を目で追う動作にとどまらず、その流れに心を託すような情感を伝えています。
季語「曲水(きょくすい)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
曲水の 詩や盃に 遅れたる
作者:正岡子規
曲水や どたり寝ころぶ 其角組
作者:小林一茶

著者 / Tommy Ikura
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