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季語「山焼く(やまやく)」の解説と季語を使った俳句の例
春の季節の季語の一つである「山焼く(やまやく)」です。
山焼く
「山焼く」は、春に行われる伝統的な風習や管理行為で、山の草木を焼き払うことを指し、春の季語として用いられます。山焼きは、新しい芽吹きを促したり害虫を駆除したりする目的で行われ、自然と人間の営みが交錯する象徴的な行事です。この行為は、春の訪れとともに新たな命が育まれることを暗示し、燃え盛る炎や煙、そしてその後の再生の光景が詩情を生み出します。俳句では、山焼きそのものの壮大さや、炎や煙の動き、周囲の自然や人々との関わりを描くことで、春の力強さや儚さを表現します。
季語「山焼く(やまやく)」を使った俳句の例です。[2]
山焼きの 煙の向こうに 空広し
解説:山焼きのダイナミックな情景と、それを包み込む広大な空を対比的に描いた作品です。「山焼きの」という冒頭が、燃え盛る山の迫力とその現場の熱気を感じさせます。「煙の向こうに」というフレーズが、視界を遮る煙の存在を通じて、広がりへの期待感を効果的に伝えています。そして「空広し」という結びが、煙の先にある無限の広がりを強調し、力強い自然の営みを感じさせます。
山焼きの 跡にたなびく 香の残り
解説:山焼きの後に漂う余韻を描写した一作です。「山焼きの」という冒頭が、燃え盛る山の力強い情景を想起させ、その後の「跡にたなびく」という表現が、山焼きが終わった後の静けさと、まだ消え残る香りを柔らかく感じさせます。「香の残り」という結びには、燃えた草木の匂いが空気に漂い、自然と人間の営みが交差する瞬間が詩的に表現されています。全体として、山焼きというダイナミックな行為の後に訪れる静寂と余韻を味わえる情景が見事に描かれた俳句です。
季語「山焼く(やまやく)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
山焼けば 狐のすなる 飛火かな
作者:河東碧梧桐
山を焼く 火に近く我 夜越ゆる
作者:正岡子規

著者 / Tommy Ikura
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