季語「梅(うめ)」の解説と季語を使った俳句の例

春の季節の季語の一つである「梅(うめ)」です。

俳句で使われる季語「梅」をイメージした写真です

季語の解説:

「梅(うめ)」は春の季語で、早春を告げる花として愛されています。まだ寒さの残る時期に咲き始める梅は、春の訪れを知らせ、香り高く華やかな花で周囲を彩ります。日本では、梅は桜に先駆けて咲くことから、冬から春への移ろいを感じさせる象徴的な花として古くから親しまれてきました。梅には紅梅や白梅があり、いずれも人々の目を楽しませるとともに、その香りが季節感を引き立てます。

季語を使った自作の俳句:

季語「梅(うめ)」を使った俳句の例です。[2]

梅の枝 小鳥とともに 揺れ合いて

解説:冬の梅の枝が小鳥の動きによって揺れる情景を繊細に描写しています。「梅の枝」という言葉が、冬の厳しい中でも春を予感させる生命力を表現しています。「小鳥とともに」という一節が、自然の中での静かで優雅な動きを想起させ、親しみやすい温かさを加えています。「揺れ合いて」という結びが、小鳥と梅の枝の一体感を感じさせ、自然の中にある和やかで穏やかな時間を見事に表現しています。冬の冷たさの中に生命の息吹を感じる一句です。

香る梅 古き門前 道しるべ

解説:梅の香りと古い門前の情景を通して、時間の流れや静けさを感じさせる一句です。「香る梅」が、早春の訪れを告げる梅の存在感を優雅に表現し、句全体に柔らかな香りを漂わせています。「古き門前」というフレーズが、歴史を感じさせる場面設定を描き出し、時代を超えて人々を迎える温かさと厳かさを伝えます。「道しるべ」という結びが、梅の香りや門が人々にとっての案内役であることを象徴し、自然と人との調和を美しく表現しています。全体的に穏やかで奥ゆかしい情景を感じさせる俳句です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「梅(うめ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

梅若菜 丸子の宿の とろろ汁

作者:松尾芭蕉

梅の香や 吸う前に息は 深く吐け

作者:石田波郷

梅が香や 月めく空の うすはなだ

作者:日野草城

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著者 / Tommy Ikura

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