季語「夜桜(よざくら)」の解説と季語を使った俳句の例

春の季節の季語の一つである「夜桜(よざくら)」です。

夜桜

「夜桜」は「桜(さくら)」の子季語です。

季語の解説:

「夜桜」は、夜に咲く桜を愛でる情景を描写した季語であり、春の季節感を代表する一つです。昼間とは異なる、夜の闇に浮かび上がる桜の美しさや妖艶さを感じさせます。この季語は、桜が咲き誇る春の風景だけでなく、夜という時間帯特有の静寂や神秘的な雰囲気を表現する際に効果的です。特に、月明かりや提灯の灯りとともに描かれることが多く、人々が夜桜を眺めながら語らい合う情景や、桜そのものの儚さを詠む場合に用いられます。桜の華やかさと夜の静けさが交錯することで、多様な感情や詩情を込めることができる季語です。

季語を使った自作の俳句:

季語「夜桜(よざくら)」を使った俳句の例です。[1]

夜桜を 月の灯りで 一人見る

解説:夜桜の静寂と個人的な体験を描いた作品です。「夜桜を」という冒頭で視点を定め、「月の灯りで」というフレーズが、桜が月明かりに浮かび上がる情景を幻想的に感じさせます。「一人見る」という結びが、桜を眺める孤独感とその中にある静かな充足感を表現しており、夜桜の儚さや美しさに心を寄せる情感を伝えています。全体として、春の夜に漂う神秘性と個人的な感傷が織り交ぜられた、一人の体験に基づく趣深い俳句です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「夜桜(よざくら)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

夜桜や うらわかき月 本郷に

作者:石田波郷

夜桜の 雨夜咲き満ち たわわなり

作者:水原秋桜子

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

毎日の暮らしの中で役立つ情報や、趣味に関するコンテンツを分かりやすく解説するサイトを製作しています。