季語「初鰹(はつがつお)」の解説と季語を使った俳句の例

夏の季節の季語の一つである「初鰹(はつがつお)」です。

初鰹

季語の解説:

「初鰹(はつがつお)」は夏の季語で、5月から6月にかけて水揚げされる初物の鰹を指します。初鰹は江戸時代から「初物」として珍重され、縁起物として特別な価値がありました。特に江戸の人々にとっては、初鰹を食べることが「粋」とされ、高値がつくこともあったほどです。春から夏にかけて北上してくる鰹は、脂が少なくさっぱりとしており、香ばしい焼き霜造りや刺身で楽しむことが多いです。俳句では、初物の喜びや、その年の初めての旬を味わう高揚感を表現する際に用いられます。

俳句の例:

季語「初鰹(はつがつお)」を使った俳句の例です。

初鰹 口に運べば 潮の香

解説:初鰹を口に運んだ瞬間に、海の潮の香りが広がる様子を詠んでいます。新鮮な初鰹の味わいと、初夏の海を感じさせる香りが一体となり、初物の美味しさと季節の喜びが伝わります。

旬を待ち 初鰹切る 厨の音

解説:初鰹の旬を待ち、いよいよ調理場でその魚を切る音が響く情景を描いています。初夏の旬を待ちわびた高揚感が、調理の音からも感じられ、季節の味覚を楽しみにする気持ちが表現されています。

食卓に 並びて嬉し 初鰹

解説:食卓に初鰹が並び、家族や人々が喜んでいる様子を詠んでいます。初鰹が食卓を彩り、季節の特別な食事に対する期待と喜びが感じられる句です。

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

毎日の暮らしの中で役立つ情報や、趣味に関するコンテンツを分かりやすく解説するサイトを製作しています。