季語「蛍（ほたる）」の解説と季語を使った俳句の例

夏の季節の季語の一つである「蛍（ほたる）」です。

蛍

蛍は夏の夜に淡く光を放ち、静かに舞う姿が風情を感じさせる夏の象徴です。水辺の草むらや田んぼの近くに見られ、その儚い光は、日本人にとって古くから幻想的で美しいものとされています。蛍の光とその短い命は、夏の夜の静けさや儚さ、神秘さを表現するために俳句に多く用いられます。俳句では、蛍の光の揺らめきや、夜の闇に浮かぶ様子が夏の季節感とともに詠まれ、詩情豊かな情景が描かれます。

季語「蛍（ほたる）」を使った俳句の例です。

蛍火の はかなき光 夏の希望

解説：蛍火の淡い光が、はかないながらも夏の希望として輝いている様子を詠んでいます。蛍の光の儚さの中に、希望や美しさを見出しており、夏の静かな情緒が感じられます。

夏茂み 光宿す住人 源氏蛍

解説：夏の茂みの中に、光を携えている住人である源氏蛍がいる様子を描いています。蛍を「光持つ住人」と表現することで、夏の茂みの奥深さや、蛍がそこで暮らす様子が強調されています。

蛍飛び 川面にゆれる 黄色の輪

解説：蛍が飛び、川面に映った光がゆらめく様子を詠んでいます。蛍の光が水面に黄色の輪として映る情景は、静かな夏の夜の美しさを感じさせます。