季語「蝉(せみ)」の解説と季語を使った俳句の例

夏の季節の季語の一つである「蝉(せみ)」です。

季語の解説:

蝉(せみ)は夏の象徴的な昆虫で、その独特の鳴き声は日本の夏の風景に欠かせない存在です。蝉は地中で数年から十数年の幼虫期間を過ごし、成虫になると短い命を全力で生き、鳴き声でその存在を主張します。その響き渡る声には力強さと儚さがあり、日本人にとっては夏の終わりや命のはかなさを連想させるものでもあります。俳句では、蝉の声や姿、また抜け殻などを通して、夏の活気や、命の輝きと儚さが詠まれます。

俳句の例:

季語「蝉(せみ)」を使った俳句の例です。

セミの声 炭坑節に おとなしく

解説:蝉の鳴き声が夜の炭坑節(日本の盆踊りの一つ)を聞いて静かになった様子を詠んでいます。賑やかな夏の夜の情景の中で、蝉が盆踊りの音を感じているかのようなユーモアがあり、夏の賑わいと自然の静けさの対比が面白い句です。

蝉しぐれ 少年の声に 夏来たり

解説:蝉しぐれ(蝉の大合唱)の中で少年の声が響き、夏の訪れを強く感じる情景を詠んでいます。蝉の鳴き声と少年の元気な声が夏のエネルギーを表現しており、季節の活気が伝わる句です。

幼子が そっと触った 蝉の殻

解説:幼い子供がそっと蝉の抜け殻に触れている様子を詠んでいます。蝉の殻に触れる子供の慎重で純粋な仕草が、夏の日の一コマとして穏やかに描かれています。子供の好奇心と繊細さが、自然と向き合う優しい瞬間を感じさせます。

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著者 / Tommy Ikura

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