季語「土用波(どようなみ)」の解説と季語を使った俳句の例

夏の季節の季語の一つである「土用波(どようなみ)」です。

土用波

季語の解説:

「土用波」は、夏の土用の頃(7月下旬から8月上旬)に発生する高波のことです。夏の海に突然現れるこの波は、台風や風の影響で通常よりも大きくなり、海岸に打ち寄せることが特徴です。穏やかな夏の海に対する土用波の力強さや不意性があり、夏の終わりが近づいていることを感じさせます。この季語は、季節の変わり目の不安定さや自然の力を表現する際に使われます。

俳句の例:

季語「土用波(どようなみ)」を使った俳句の例です。

防波堤 高く打ちつけ 土用波

解説:土用波が防波堤に高く打ち寄せて弾ける様子が描かれています。防波堤を越えるような大きな波の勢いが感じられ、自然の力強さが表現されています。

砂浜の 思い出流す 土用波

解説:土用波が砂浜の「思い出」を流すという比喩表現で、夏の終わりの寂しさや去りゆくものへの哀愁が込められています。砂浜での楽しい思い出が土用波によって一掃されてしまうような儚さが感じられます。

土用波 沖の漁舟を 揺らしけり

解説:こ土用波が沖に浮かぶ小舟を揺らしている情景を描写しています。土用波の力強さと、揺らされる小舟の小さな存在感が対比され、自然の厳しさと美しさが感じられる句です。また、夏の終わりに近づき、波の動きが激しくなる様子が伝わります。

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著者 / Tommy Ikura

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