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季語「泉(いずみ)」の解説と季語を使った俳句の例
夏の季節の季語の一つである「泉(いずみ)」です。
泉
「泉」は、山や地下から湧き出る水を指し、その清涼感や静謐さから夏の季語として用いられます。夏の暑さの中にあって、涼を感じさせる場所や存在として親しまれ、視覚的にも聴覚的にも清々しいイメージを伴います。この季語は、自然の恵みや命の源としての象徴性を持つと同時に、静かで落ち着いた情景を描く際に効果的です。俳句では、泉そのものの透明感や冷たさ、湧き出る動きとともに、その周囲の自然や人々の営みを織り込むことで、夏の爽やかな一瞬や詩情を表現します。
季語「泉(いずみ)」を使った俳句の例です。[1]
泉にて 冷やしたトマト ほおばりぬ
解説:夏の清涼感と自然の恵みを生き生きと描いた作品です。「泉にて」という冒頭が、泉の冷たさと透明感を想像させ、夏の暑さの中での涼を際立たせています。「冷やしたトマト」という描写は、自然の中での素朴で贅沢なひとときを表現しており、日常の中に潜む季節の楽しみを感じさせます。「ほおばりぬ」という結びは、トマトを口に含む動作と、その瞬間の感覚を鮮やかに伝え、五感に訴えかける力強さがあります。全体として、夏の自然と人間の営みが調和した、素朴ながらも味わい深い俳句です。
季語「泉(いずみ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
泉への 道後れゆく 安けさよ
作者:石田波郷
刻々と 天日くらき いづみかな
作者:川端茅舎
著者 / Tommy Ikura
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