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季語「花火(はなび)」の解説と季語を使った俳句の例
夏の季節の季語の一つである「花火(はなび)」です。
花火
「花火」には「手花火(てはなび)」などの子季語があります。
※ 「花火」は秋の季語として長い間使われていました。現在は秋に加えて夏の季語として扱われることもあり、本サイトでは夏の季語としました。
花火は、夏の夜空を彩る火薬を使った光の芸術で、祭りや特別な催しの際に打ち上げられるものです。その瞬間的な美しさと儚さは、夏の象徴として人々に親しまれています。花火は視覚だけでなく、炸裂する音や煙の匂いなど、五感に訴える要素が多く、夏の夜の賑わいや思い出を引き立てます。この季語を用いた俳句では、夜空に広がる光景、観客の歓声、またはその美しさがもたらす感動や感慨が詠まれることが多く、夏の躍動感や儚さが鮮やかに表現されます。
季語「花火(はなび)」を使った俳句の例です。[2]
そっと見る 花火が映す 君の顔
解説:花火を背景に浮かび上がる「君の顔」を静かに見つめる情景を描いています。「そっと見る」という控えめな表現が、作者の繊細な感情や、相手への深い思いを感じさせます。「花火が映す」という言葉が、花火の光が一瞬で消える儚さとともに、相手の顔に映るその輝きの美しさを際立たせています。最後の「君の顔」という結びが、個人的で親密な空間を作り上げ、花火の豪華さとは対照的な静けさと温かさをもたらしています。花火の夜に生まれる特別な感情を優しく表現した一句です。
耳ふさぐ 花火の音に 慌てし子
解説:花火の音に驚き耳をふさぐ子どもの無邪気な姿を鮮やかに描いています。「耳ふさぐ」という動作が、花火の迫力ある音の大きさとその緊張感を伝えます。「花火の音に」という具体的な情景描写が、夏の夜のにぎやかさや華やかさを想像させます。そして「慌てし子」という結びが、子どもの愛らしい仕草と花火を楽しむ一瞬の生き生きとした情景を際立たせています。夏の夜の賑やかさと子どもの純粋さを見事に捉えた一句です。
季語「花火(はなび)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
もの焚て 花火に遠き かゝり舟
作者:与謝蕪村
暗がりの 天地にひびく 花火哉
作者:正岡子規
閑けさや 花火消えたる あとの星
作者:日野草城
著者 / Tommy Ikura
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