季語「夏草(なつくさ)」の解説と季語を使った俳句の例

夏の季節の季語の一つである「夏草(なつくさ)」です。

夏草

季語の解説:

「夏草」は、夏の陽気と共に青々と茂る草を指す季語です。生命力に満ちた草の勢いが感じられる一方で、時には荒れた場所や戦跡に広がる草として、無常観や時間の流れを象徴することもあります。夏草は、その繁茂する姿を通じて生命の強さや自然の美しさを詠む一方で、歴史や人の営みの儚さを表現する際にも使われます。俳句では、草が作り出す風景やその草に絡む情景を通じて、夏の空気感を多様に描くことができます。

季語を使った自作の俳句:

季語「夏草(なつくさ)」を使った俳句の例です。[1]

夏草や 道なき道を 進みゆく

解説:夏草」という生命力にあふれた自然を背景に、「道なき道を進む」という行為を通じて、未知への挑戦や探求を象徴的に描いています。「夏草や」という冒頭が、夏の勢いある草むらの情景を鮮明にし、続く部分でその中を切り開くように進む人間の姿が力強く表現されています。自然の中での人間の営みや、逆境に立ち向かう姿勢が感じられ、季節の持つエネルギーと相まって感動的な印象を与えます。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「夏草(なつくさ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

夏草や 兵共が ゆめの跡

作者:松尾芭蕉

夏草や ベースボールの 人遠し

作者:正岡子規

夏草に 延びてからまる 牛の舌

作者:高浜虚子

夏草に 汽缶車の車輪 来て止る

作者:山口誓子

朱ケの月 出て夏草の 鋭さよ

作者:川端茅舎

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著者 / Tommy Ikura

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