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季語「鱈(たら)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「鱈(たら)」です。
鱈
「鱈(たら)」は、冬に旬を迎える魚であり、その身は白く淡泊でありながらも旨味が豊富です。寒い時期に脂がのるため、鍋や煮物、焼き物などさまざまな料理で楽しむことができます。また、白子や肝も冬の味覚として愛されています。「鱈」は冬の寒さを象徴する食材であり、冬の食卓に温かさをもたらす存在です。俳句では、冬の季節感や家庭の団欒、漁港の賑わいなどを描くのに使われます。
季語「鱈(たら)」を使った俳句の例です。[2]
鱈鍋の 湯気立つ白身 つばを飲む
解説:湯気が立ちのぼる鱈鍋の情景と、その美味しそうな白身を前にして思わずつばを飲む様子を詠んでいます。冬の寒い日に鍋を囲む、温かく豊かな食卓の光景が目に浮かびます。湯気と「白身」という言葉が視覚的であり、五感を刺激する描写です。「つばを飲む」という表現に、人間味のある素直な感情が感じられ、共感を呼ぶ一句です。
鱈白子 口に含みて 消えさりぬ
解説:鱈の白子を口に含んだ瞬間の感触と、それが儚く溶けていく様子を描いています。「消えさりぬ」という表現が、白子の滑らかさと儚い口どけを見事に表しています。冬の味覚を繊細に捉え、その一瞬の美味しさと儚さが強調される句です。言葉の流れが美しく、季節の情緒とともに食の豊かさが詩的に伝わります。
著者 / Tommy Ikura
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