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季語「都鳥(みやこどり)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「都鳥(みやこどり)」です。
都鳥
「都鳥」は、冬に日本へ渡来する水鳥「ユリカモメ」のことを指し、古くは「伊勢物語」などにも登場し、文学的にも親しまれてきました。白い羽と優雅な飛翔姿が特徴的で、特に冬の河川や水辺で群れを成している光景は、季節感を強く漂わせます。名前に「都」と付くことからも、雅やかな雰囲気や冬の旅情、郷愁を象徴する存在として、多くの俳句や和歌に詠まれてきました。「都鳥」は、その姿や群れの動き、川や海の風景とともに詠まれることが多く、旅情や静寂、冬の水辺の美しさを表現する際に用いられます。
季語「都鳥(みやこどり)」を使った俳句の例です。[2]
都鳥 鳴き声響く 朱色の口
解説:都鳥(ユリカモメ)の冬らしい姿を描いています。都鳥は白い体に対して冬羽では嘴が鮮やかな朱色になることが特徴であり、その色彩が一句の中で強調されています。また、「鳴き声響く」とあることで、冬の静けさの中に響く鳥の声が印象深く伝わり、水辺や湖畔に漂う情景が目に浮かびます。シンプルながらも、色彩・音・冬の冷たさを感じさせる詩情豊かな俳句です。
かの地より 長旅終えし 都鳥
解説:都鳥が遠く異国の地から冬の日本へ渡ってきた様子を描いています。渡り鳥の都鳥は、冬に日本に飛来することで知られています。その「長旅終えし」という言葉からは、過酷な渡りの旅を乗り越え、ようやくたどり着いた安堵感や静けさが感じられます。冬の水辺に都鳥が羽を休めている穏やかな光景が浮かび、自然への敬意と慈しみが感じ取れます。
著者 / Tommy Ikura
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