季語「北風(きたかぜ)」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「北風(きたかぜ)」です。

北風

季語の解説:

「北風」は、冬に吹く冷たい風を指します。特に寒さの厳しい時期に吹く北風は、体に突き刺さるような冷たさを伴い、冬の厳しさや自然の力を感じさせます。また、乾燥した風が木の葉を散らしたり、雪を吹き付けたりする様子も「北風」ならではの情景です。俳句では、「北風」を通じて冬の厳しい寒さや孤独感、また季節の移ろいの儚さなどが表現されます。

季語を使った自作の俳句:

季語「北風(きたかぜ)」を使った俳句の例です。[2]

北風や 寂しさ運ぶ 空の音

解説:冬の冷たい北風が空を通り抜ける音に、寂しさを感じる情景を描いています。「北風や」という冒頭が、冬の厳しい寒さを象徴し、「寂しさ運ぶ」という表現が、風がただ冷たいだけでなく、心に孤独感や物悲しさを運ぶ存在として描かれています。「空の音」という結びが、北風の広がりと静けさの中で響く音のイメージを鮮明にし、冬の情緒を深めています。この句は、風と音を通じて冬の寂寥感を巧みに表現した作品です。

北風と 共に急ぎて 帰り道

解説:冬の北風が吹き付ける中、帰り道を急ぐ様子を描いています。「北風と」という冒頭が、風と一緒に動いている感覚を生み出し、「共に急ぎて」という描写が、寒さから逃れたい焦りや忙しさを感じさせます。「帰り道」という結びが、日常の一場面を描くことで、冬の厳しさを身近なものとして伝えています。この句は、冬の冷たさと人々の営みをリアルに表現し、季節感と親しみやすさが共存した作品です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「北風(きたかぜ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

北風の 藪鳴りたわむ 月夜かな

作者:杉田久女

北風に うなじ伏せたる 荷牛かな

作者:村上鬼城

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

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