- Home ›
- 冬の季語一覧 ›
- 冬[天文]の季語一覧
季語「初雪(はつゆき)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「初雪(はつゆき)」です。
初雪
「初雪」は、その年の冬に初めて降る雪を指します。初雪は季節の移ろいを実感させ、待ち望んだ冬の始まりを告げる象徴でもあります。その初めての白い雪が、街や自然に静けさと清らかさをもたらし、空気の冷たさや透明感が増すため、特別な情緒を伴います。俳句では、「初雪」を通じて冬の始まりの清々しさや儚さ、雪景色の幻想的な美しさを表現することが多いです。
季語「初雪(はつゆき)」を使った俳句の例です。
初雪や 窓の外には 冬景色
解説:初雪が降り積もる様子を窓越しに見ながら、冬の到来を静かに受け止める情景を描いています。「初雪や」という冒頭が、新しい季節の始まりを印象づけ、「窓の外には」という表現が、室内の温かさと外の冷たさを対比的に想像させます。「冬景色」という結びが、雪によって変化した自然の美しさを詩的にまとめています。この句は、初雪の降る日特有の静けさと情緒を簡潔に描いた作品です。
初雪に スマホを止めて 空見上げ
解説:初雪が降り始めた瞬間、日常の慌ただしさを忘れて、ふと立ち止まる様子を描いています。「初雪に」という冒頭が、雪が降り始めた新鮮さを感じさせ、「スマホを止めて」という描写が、現代的な忙しさと自然の美しさとの対比を際立たせています。「空見上げ」という結びが、雪が舞い落ちる様子に心を奪われる静かな感動を伝えています。この句は、初雪を通じて日常の中にある非日常的な瞬間を描き出した作品です。
初雪が 街をゆっくり 白く染む
解説:初雪が街に静かに降り積もり、街全体を白く染めていく様子を描いています。「初雪が」という季語が、冬の初めの新鮮な感覚を呼び起こし、「街をゆっくり」という表現が、雪が持つ穏やかな動きを感じさせます。「白く染む」という結びが、雪景色へと変わっていく街の様子を詩情豊かに伝えています。この句は、初雪によって一変する街の美しさと静けさを見事に描いた作品です。
季語「初雪(はつゆき)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
初雪や かけかかりたる 橋の上
作者:松尾芭蕉
初雪や 古郷見ゆる 壁の穴
作者:小林一茶
山初雪 やどりぎの毬 白くしぬ
作者:山口青邨

著者 / Tommy Ikura
毎日の暮らしの中で役立つ情報や、趣味に関するコンテンツを分かりやすく解説するサイトを製作しています。